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Sustainability
事例:アドバイザリーサービス
農場の持続可能性とデラバルのアドバイザリーサービスの関係性
デラバルのアドバイザリーサービスは、デラバルの経営戦略の中で最も重要な要素の1つであり、すでに導入されている搾乳システムによる温室効果ガス排出量を削減することができる重要な存在です。
アドバイザリーのWilliam が牧場訪問時に重視する点は2つ:
・乳量の増加
・乳牛の健康状態の改善
これらは密接に関係しています。牛1頭あたりの乳量が多ければ多いほど、乳量1リットルあたりの環境への負荷は低くなり、酪農家の収益性は高くなります。しかし、酪農家が多くの乳量を得るためには、アニマルウェルフェアに細心の注意を払う必要があります。
William は、牧場が収益性と持続可能性を両立させるための最善の方法について質問されたとき、「すべては乳頭の中にある」と答えました。
「牛の搾乳が完璧であれば、乳頭は搾乳後すぐに閉じます。そうでない場合、乳頭は約8時間にわたり開いたままとなり、バクテリアやその他の病原体の影響を受けやすくなります。つまり、牛は生乳を作ることにエネルギーを注力できなくなり、細菌と戦わなければならない可能性があるのです。」
デラバルで約30年程のキャリアを、世界各地、特にアジアや中東で築いてきたWilliamは、あらゆる方法の酪農経営を見てきました。アドバイザリー担当者として、観察とアドバイスを通して酪農家の経営改善を支援することに尽力しています。
アドバイザリーサービスは、酪農家が導入したデラバルの機械を最大限に活用できるよう、サポートしています。
例えば、すべての搾乳ロボットにはデフォルトのプリセットがありますが、各牧場のニーズに合わせて調整する必要があります。
「各牧場を個別に見て、国によって文化が異なることを認識する必要があります。例えば、アメリカは高真空による高速搾乳の歴史が長いですが、ヨーロッパはアメリカに比べゆっくりです。しかし、その都度、牛から多くの生乳を得ようとします。」
キャリアの大部分を中国で過ごしてきたウィリアムは例として中国のケースを上げました。
「ロータリーによる牧場経営が盛んな中国では、デルプロ(デラバルの牧場管理システム)も使われています。システムの使い方を理解することはもちろんですが、それぞれの牧場で働く人たちのことも理解する必要があります。
・搾乳前の牛への接し方はどうか
・乳頭刺激の時間はどれくらいか
・前搾りと乳頭清拭の間隔はどのくらいか
・誰が何をしているのか
これらの情報をすべてまとめる必要があります。そうすれば、酪農家の経営とアニマルウェルフェアに大きな違いをもたらすことができるのです。」
「すべてが健康であることを確認するためには、牧場、乳頭を人間が都度、直接確認する必要があります。デルプロを使えば、泌乳曲線や乳量がピークに達するタイミングを把握できます。得られたデータから多くのことがわかるのです。」と述べています。
また、Williamは、訪れたそれぞれの牧場では、収益性やアニマルウェルフェアの観点からだけでなく、アドバイザリーサービスが、牧場の温室効果ガス排出量の削減にもつながっていることを強調します。
「中国でこのようなデータを収集し、結果を公開しているのは私たちだけです。」
「このことから、私たちは基準を設定しました。例えば、非常に大規模な牧場でも乳房炎のレベルを極めて低く抑えることができることを示しました。この結果を見た他の酪農家も強く興味を持つようになり、知識の普及を加速させることができるのです。」
Williamは、このような基準が、地域のすべての牧場の効率性を高め、結果として持続可能性を高めていると信じています。